業務案内

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2021年10月13日

 当社は、主にショベルカーの足回り、「履帯構成部品」と呼ばれる部品を製造しています。主な部品は「ピン」と「ブッシュ」です。「ピン」は、ジョイント部品です。本体重量を受けるため、その強度が重要となります。また、「ブッシュ」は、ピンを内筒に挿入し、ジョイント部の動きを円滑にさせる部品です。内外ともに滑って動き重機の足回りが動作するため、高い耐摩耗性が要求されます。 これらの部品を、年間平均して120万個製造して取引先企業様に納品しています。取引先企業様から求められるのは、「図面規格を満たした製品」。完璧な図面の通りに金属を削り、製造するために徹底した寸法管理を行っています。工場内には様々な製造ラインがありますが、どのラインも30分に1回検査を行い、機械が削ったものに間違いがないかを人の目で慎重に検査しています。

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バー素材

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バー素材は鉄の棒です。この棒を加工して、重機の足回り(履帯構成)の部品である「ピン」と「ブッシュ」を製作していきます。

切断・センタレス加工

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当社では、バー素材を加工ラインにのせると切断、センタレス加工(外形研磨)までを一連で行えるように機械を直結配置しています。切断は、回転のこぎりの刃と水を使用して行います。その後、センタレス加工をしてバー材の外側にある金属の黒ずみを研磨し、素材の持つ光沢を出し、面取りを行っていきます。こうすることで摩擦の抵抗が少なくなり、機能性が高い部品に仕上がります。これまで、面取りの終わった製品を人の手で運んでいましたが、1日に何往復もし、また製品の重さもありますので肉体に負担のある作業でした。ですが、2020年12月に新しい機械を導入し、運搬の自動化だけでなく、工程内検査において人の目が見落としてしまう細かな寸法管理までを画像で判断できるようになり、身体的な負担が減り、精度が上がりました。

NC旋盤

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旋盤とは、素材を回転させ、そこに刃物を当てて不要な部分を削り取る機械です。旋削加工のほか、穴開け、中ぐり、溝加工、ねじ切りといった加工もあります。
「NC旋盤※」はコンピュータでの数値制御をもとに、数種類の刃を使い分けて自動加工を行います。縦、横、高さを高精度で制御でき、材質や目的とする形状に応じて、コンピュータにプログラミングすることで思った通りの製品を自在に作り出すことができます。当社では、清水政光社長の方針として「誰がやっても同じ製品ができること」を掲げており、素材をセットしてボタンを押せば製品が出来上がります。では人は何をするかというと、機械で作ったものが正確かどうかのチェックをします。このチェックが製品の品質に直結するところです。
※NC…Numerically Control=コンピュータによる数値制御の意味

高周波熱処理

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この工程は、鉄の強度(硬さや摩耗耐久性)を向上させるために行っています。
鉄は、熱することで硬さが変わります。まず、鉄を熱すると原子構造(並び方)が変わり、鉄の原子どうしのすき間に炭素が入り込みます。これを冷やすと鉄の原子の構造は元に戻ろうとして炭素が外に出ていくのですが、炭素が外に出ていくよりも早く、急速に冷却すると炭素は逃げられなくなり、鉄原子の中に閉じ込められた状態になります。例えるなら、熱処理をする前の鉄はガラガラ状態の電車の中で、新宿のような大きな駅でドアを開ける(熱を入れる)と、人(炭素)がどっと入ってきます。電車はドアを閉め(冷却)出発しようとしますが、この時のぎゅうぎゅうづめの満員電車こそが硬度が増した鉄材の状態です。当社が作っているのは重機の足回りの部品なので、相当の強度が求められるため、この熱処理は欠かせません。
熱処理には様々な方法があるのですが、当社で採用している高周波を用いた熱処理は最も環境に配慮された手法であり、二酸化炭素排出量も少なく、また使用エネルギー効率も抜群に良い方法であり、鉄の強度を思い通りに向上させることができます。

検査

各ラインから生産された製品は、出荷前に図面や規格を満たしているかどうかの検査を行います。硬度計で硬さをはかり、手作業で外寸の測定はもちろん、画像測定器も使用して正確に測定し、製品管理をするのが検査です。工場内の最後の工程である検査を通過した製品は出荷されていきます。

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